昨年、冬から春にかけ体調を崩しがちで、それをなんとかしようと泳ぐことに決めたのだ。
で、夏から秋に区のプールへ行き結構泳いだ。
もともと水泳なんて好きでもないし得意でもなかったのだが、歩いたりジョギングしたり
というのはなんか違うと思って、それでなぜだか泳ぐことを選択したのだ。
そのおかげかだいぶ元気になった。
でもまあ10月以降寒くなってきたのでプールは遠ざかっていた。
で、新年初泳ぎに行ってきた。
プールへ泳ぎに来る人の顔ぶれはじいさん、ばあさん、おじさん、おばさん大体一緒なのである。ひさしぶりでも一緒であった。といっても挨拶をするわけでもない。
しばらく泳いでいるとプールサイドにあるおじいさんが登場した。
僕は心の中で「やはり来ましたね」と言った。
このじいさんのことを僕は勝手に「くじらじいさん」もしくは「ゲンゴロウじいさん」
と呼んでいる。
人の泳ぎ方は人それぞれだ。クロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライとまあ一般的であるが
くじらじいさんの泳ぎ方は全く見たことのない泳ぎ方なのだ。
古式泳法というのはたぶん横向きにスイスイと泳ぐと思うのだが、そういうのでもなく、
じいさんは最初の25mを、潜水のような感じで、しかし平泳ぎではなく、それを若干変形したような型でぐいぐい進んで行く。
そして折り返しの25mを背泳ぎスタイルになるのだが、一般的なそれではなく、
強いて言うなら平泳ぎのような型での背面泳ぎになる。そしてぐいぐい進む。
ぐーん、ぷはぁっ、という感じがくじらのようなのだ。
そしてそのスピードはというと、
くじらじいさんは無駄なしぶきをあげずにとにかく『早い』のである。
じいさんはおそらく60代だと思われるがもしかすると70歳近いのかもしれない。
でも毎日のように泳いでいそうなので体格もよく元気そうだ。
プールではほとんどの人がゴーグルを付けて泳いでいるのにもかかわらず、
このじいさんはそんなものは付けていない。
なかなかの男なのである。